[ロンドン 22日 ロイター] - 英金融監督当局は22日、国内に111社ある未登録の暗号資産(仮想通貨)会社が金融システム全体にリスクをもたらしているとし、取引を行わないよう消費者や銀行、決済サービス企業に警鐘を鳴らした。

英金融行動監視機構(FCA)の取り締まり・市場監視担当トップ、​マーク・スチュワード氏は業界のイベントで、未登録の暗号資産会社はリスクが高く、不安定で、規制されていないと指摘。

111社は必要な登録をせずに英国で事業を展開し、銀行や決済サービス企業、消費者などと取引しているとし、「これは非常に現実的なリスクであり、われわれは懸念している」と述べた。

英国では、FCAが暗号資産会社のマネーロンダリング(資金洗浄)対策やテロ資金対策の監督機関に指定された今年1月以降、これらの企業にはFCAへの登録が義務付けられている。

だが、実際にはごく一部しか登録しておらず、金融犯罪のリスクをもたらしているという。

英国で暗号資産を保有する成人は250万人近くと、新型コロナウイルスの感染拡大により自宅で過ごす時間が増えたことなどもあり、昨年から急増した。

スチュワード氏は、新たに投資を始めた人は35歳以上の男性が多い傾向があり、借り入れで資金を調達し、知識も比較的乏しいと指摘。

「多くの人が今投資しているのは、ブームに乗り遅れるのを恐れているからだ」とし、17世紀にオランダでチューリップの球根が高騰した「チューリップバブル」を引き合いに出し、こうした投資家が犠牲になるリスクがあると警告した。