[東京 21日 ロイター] - 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会や国際オリンピック委員会(IOC)は21日、来月23日に開幕する五輪の観客上限を定員の50%以内、1万人とすることを決定した。感染状況が急変すれば無観客を検討することも申し合わせた。

IOC、国際パラリンピック委員会(IPC)、政府、東京都との5者協議後、組織委の橋本聖子会長が会見して明らかにした。8月に開催するパラリンピックの観客上限は7月16日までに決定する。

販売済みチケット364万枚は一部再抽選し、91万枚減らす。チケット収入はこれまでの試算900億円の半分以下となる見通し。再抽選などの詳細は23日に公表する。会見に同席した組織委の武藤敏郎事務総長によると、減収分の負担は日本側3者で協議する。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外国からの観客はゼロにすることをすでに決めており、国内観客の上限が焦点となっていた。組織委などは今回、政府が示していた大規模イベントの観客上限1万人という基準に沿って決定した。

感染状況や医療状況に急激な変化が生じれば、5者協議を開いて対応を検討。緊急事態宣言が再び発令された場合には、無観客とすることを含めて判断するという。

今回の決定に、街の人たちからは様々な声が聞かれた。神奈川県在住の飲食店店員、森崎佳奈子(40)さんは「身内に医療従事者がいて大変な状況に置かれている。(無観客を提案した)専門家の意見が通らず残念」と語った。一方、東京都在住の会社員、下川啓輔(34)さんは、「せっかく開催するなら多少なりとも観客入れたほうがいいと思う」とした。

組織委によると、観客に酒類を提供するかどうかは検討中。観客向けの観戦ガイドラインを作成しており、今週中に発表するとしている。

*内容を追加しました。