[ブラジリア/リオデジャネイロ 19日 ロイター] - 新型コロナウイルス感染症による死者が50万人を突破したブラジルで19日、ボルソナロ大統領の新型コロナ対応に抗議するデモが各地で行われた。

ワクチン調達の遅れや、マスクの必要性を疑問視する大統領の姿勢に強い非難の声が上がった。デモ参加者の多くは50万人の死者について、政府による一種のジェノサイド(大量虐殺)だと主張し、ボルソナロ氏の辞任を求めた。

現地メディアによると、デモは首都ブラジリアのほか全26州で実施された。

ブラジリアでデモに参加した36歳の女性は「ワクチンを購入せず、国民のためにこの1年間何もしてこなかったボルソナロ政権の大量虐殺的な行為に抗議している」と述べた。

サンパウロ中心部のデモに参加したある市民は「ボルソナロを退陣させる理由が50万ある」と書かれたサインを掲げて行進した。

政府は早い段階でワクチン購入を見送ったことを巡り厳しい批判にさらされている。米製薬大手ファイザーは、昨年8月から11月にブラジル政府に繰り返しワクチン提供を申し出たものの、政府からは返答がなかったと明らかにしている。

保健省によると、ブラジルでワクチン接種を完了した人は人口の11%にとどまり、1回接種した人は29%となっている。