[ワシントン 17日 ロイター] - 米最高裁判所は17日、トランプ前政権が支持し、共和党が求めていた医療保険制度改革法(オバマケア)無効化の訴えを退け、存続させる判断を下した。最高裁がオバマケアの存続を支持するのは2010年の同法成立以降3度目。

判断は7対2で、訴えを起こしたテキサス州などには同法の無効化を求めて訴訟を起こす法的資格がないとされた。判断の文言はリベラル派のスティーブン・ブライヤー判事が執筆した。

この訴訟に反対していた民主党のバイデン大統領は「きょうの最高裁の判断は、この画期的で人生を変えるような法律の恩恵を受けている全国民にとって大きな勝利だ」と指摘。

オバマケアが3つの主要な訴訟を切り抜けたことで「この画期的な法律に基づいて前進する時が来た」と述べた。また、より多くの国民がオバマケアを活用して保険に加入するよう呼び掛けた。

今回の訴訟を主導したテキサス州のパクストン司法長官(共和党)は、今後もオバマケアに対して異議を唱えていく方針を表明した。

オバマケアを実現させたオバマ元大統領は「この判断はわれわれが長い間、真実だと知っていたことを再確認するもので、それはオバマケアが存続するということだ」と述べた。

テキサス州を含む18の州などは、個人の保険加入義務が違憲と主張したが、最高裁は、17年にトランプ前大統領が署名し成立した税制改革法で未加入者への罰金が廃止されたことなどから原告側に損害はないと指摘した。