[モスクワ 17日 ロイター] - ロシア首都モスクワのソビャニン市長は17日、新型コロナウイルスの新たな変異株が出現し、市内の感染状況が急激に悪化しつつあると述べた。

モスクワの13日の新規感染者は7704人と、1日当たりで昨年12月24日以来の規模を記録。今週に入っても連日高水準で推移している。

ソビャニン氏は、18日にはモスクワの新規感染者が9000人強と、パンデミック発生以降で最悪に達するとの見通しも示した。6月初めまで新規感染者数はほとんど3000人を下回る状況が何カ月も続いていた。

同氏は「新たな変異株が登場して活発化している。これはより強力で治りにくい上、感染のスピードも増しており、人体の免疫システムに侵入する確率がずっと高い」と警告した。

また同氏は、現状で十分な病床を確保していると断りながらも、モスクワ市として今後新型コロナ患者が殺到する場合に備えて病床数を急速に増やしているところだと説明した。

こうした事態について同氏は「市民の6割以上は感染歴があるかワクチンを接種しているだけに、かなり予想外の展開だ。もちろんわれわれは(感染者の)増加ではなく減少を期待していた」と明かした。さらにこの先感染防止のための新たな規制を打ち出す可能性にも言及した。