[北京 17日 ロイター] - 中国の盧沙野・駐仏大使は16日、中国が2020年以降採用している攻撃的で、時として高圧的な外交スタンス「戦狼(せんろう)外交」について、中国を抑え込もうとする欧米諸国の攻撃に対する正当な防衛だと主張した。

中国政府系のサイトGuancha.cnとのインタビューで「西洋人の目には、われわれの外交は攻撃的で挑戦的に映るが、実際に攻撃的で挑戦的なのは西洋人の方だ」と指摘。「われわれの権利と利益を守るために正当な防衛をしているにすぎない」と述べた。

中国人民大学のWang Wen教授は盧大使の発言について、習近平国家主席が最近党指導部に対して「愛される中国」を目指すよう呼び掛けたが、そのことが、強く主張する中国の外交スタンスの転換を意味していないことを示している、と指摘した。

盧大使は、1990年代に最高指導者、トウ小平氏が強調した「才能を隠して、内に力を蓄える」という中国の外交方針について、当時はそれ以外のスタンスを取る必要性も力も中国にはなかったと説明した。

その上で、中国が力強く成長した今、欧米諸国はその成長を抑えこもうとしており、「変化をもたらす」外交スタンスにシフトする必要があると主張。「1.8メートルの身長に成長した自分を3歳児のように扱うことはできない。他の人の標的になることは望んでいないが、標的にされてしまう」と語った。