[東京 17日 ロイター] -

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 110.63/65 1.1999/03 132.77/81

午前9時現在 110.76/78 1.1993/97 132.86/90

NY午後5時 110.69/71 1.1994/95 132.78/82

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル安/円高の110円後半。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた米長期金利の上昇が一服となったことなどで、伸び悩んだ。一方、ユーロ/ドルは一時2カ月ぶり安値を付けるなど、ユーロ安方向への潮目の変化を予感させる値動きとなった。

ドル/円は朝方の取引で110.82円と4月1日以来2カ月半ぶり高値を付けた。その後は、実需の売りや短期筋の利益確定売りに押されたことに加え、米長期金利の上昇一服で、やや軟化した。

ユーロ/ドルは一時1.1984ドルまで下落し、4月19日以来2カ月ぶり安値を付けた。その後、1.20ドル台に切り返したが、ユーロが上昇基調に回帰したとは言えず、上値の重さが意識された。

「先週はECB(欧州中央銀行)の理事会が無風通過となったあと、昨日のFOMCで金融政策の正常化に向けた姿勢が示されたことで、市場参加者は、欧米の金融政策の格差を意識し始めた」(外為アナリスト)とされ、これまで堅調だったユーロの潮目が変化する可能性もあるという。

今回FOMCを受けて、市場ではさまざまな見方が出ている。

三菱UFJモルガンスタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は、米長期金利が今年これまでの最高水準を超えて2%近辺まで上昇すれば、ドル高/円安が進行する可能性が高いが、「今の水準(1.5%台後半)で米長期金利が収まっている間は、ドル/円は110円台で上値の重さが意識されるだろう」と述べた。

三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は「FRBは、このところどんなに強いインフレの数字が出てきても、ベース効果などによる一過性のものとの判断を続けてきたが、今回のFOMCの内容は、その判断に事実上の『敗北宣言』を下した等しいとみている」と述べ、今後は市場でインフレポジションの再構築が見込まれると予想する。

豪ドルは0.7628ドル付近。豪雇用統計が強かったことで一時0.7642ドル付近まで上昇したが、前日の豪ドル安/米ドル高の影響で伸び悩んだ。