[ウェリントン 17日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が17日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は、新型コロナ禍からの回復に伴い予想以上に増加した。これを受けて、NZ準備銀行(中央銀行)が想定より早期に金融引き締めを開始するとの観測が高まった。

第1・四半期のGDPは、季節調整済みで前期比1.6%増加した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.5%増、NZ中銀の見通しは0.6%減だった。2020年第4・四半期のGDPは1.0%減だった。

第1・四半期のGDPは、前年比では2.4%増加。予想は0.9%増だった。

GDP統計を受けて、NZドルは0.3%上昇し、0.7073米ドル近辺で推移している。

キーウィ銀行の首席エコノミスト、ジャロッド・カー氏は、夏季に海外観光客が落ち込んだが、建設部門や内需はその影響を相殺する以上に回復していると指摘し、GDP統計の織り込みに伴い利上げ前倒し観測が高まる、との見方を示した。

雇用や小売売上高などここ数カ月の各種指標も堅調な数字となっている。

中銀は5月、他の先進国に先駆けてコロナ禍で採用した金融緩和策からの転換を示唆した。

オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)は、中銀の利上げ時期予想について「1年後はあまりにも遠く感じる」として、2022年2月に前倒しすると発表した。

同行のチーフエコノミスト、シャロン・ゾルナー氏は「第1・四半期の統計はNZ経済の回復がパンデミック初期の予想よりも目覚ましいものであることを裏付けている」と説明した。