[パリ 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は16日、仏首相府経済分析会議(CAE)が提案したECBによる「ヘリコプターマネー」政策実施に否定的な考えを示した。

CAEはこの日に公表した報告書で、ECBはインフレ押し上げに向けた最後の手段として、ヘリコプターマネー政策を実施できると指摘。実施により域内総生産(GDP)の1%に相当する効果が得られ、インフレ率が1年間にわたり0.5%ポイント押し上げられるとの試算を示した。

これについてビルロワドガロー総裁は議会で「ヘリコプターマネー政策はこれまでに実施されたことはなく、運用は複雑になる。われわれにとり実施は良い考えとは思えない」と述べた。

その上で、実施されればECBのバランスシートが損なわれ、中央銀行としての信頼に傷がつく恐れがあるとし、同政策はECBが現在進めている戦略見直しの一環として検討されるべきではないとの考えを示した。