[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が15日発表した5月の鉱工業生産統計は、製造業生産指数が0.9%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回った。自動車生産が回復した。ただ、依然として原材料と労働力の不足が製造業に影を落としている。

4月は0.1%低下していた。

好調な需要に伴い、製造業で原材料と労働力が不足する中、供給網が逼迫している。自動車産業は世界的な半導体不足が打撃となり、一部の自動車メーカーが生産削減を余儀なくされた。

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は先週、供給の目詰まりが第3・四半期に和らぐ一方、混乱は長期的に続くとの見通しを示した。製造業生産のうち自動車・同部品は5月に6.7%上昇したが、一時的な伸びとなる可能性がある。5月の自動車の組立台数は約100万台増の年率990万台。2020年下半期の平均水準を依然100万台超下回る。

自動車を除く製造業生産指数は0.5%上昇だった。

鉱工業生産統計のうち鉱業は1.2%、公益事業は0.2%それぞれ上昇した。全体の鉱工業生産指数は0.8%上昇。4月は0.1%上昇していた。

企業がどれだけ資源をフル活用しているかを示す稼働率は、製造業が0.7%ポイント上昇の75.6%だった。全体の稼働率は0.6%ポイント上昇の75.2%。1972年─2020年の平均を4.4%ポイント下回った。FRB当局者は、経済のスラック(需給の緩み)を見極める指標として稼働率に注目している。