[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)が復興基金債の第1弾として10年債を発行し、主幹事会社2社によると、200億ユーロ(242億5000万ドル)を調達した。トリプルA格付けなどが魅力となり、最終的な需要は1420億ユーロに達した。

EUは昨年10月、新型コロナウイルス支援措置である「失業リスク緩和緊急支援(SURE)」の財源調達に向け100億ユーロの10年債を発行したが、その際の需要は過去最高の1450億ユーロ。今回はこれに迫る規模となった。

主幹事によると同債券は2031年7月4日償還で、利回りは0.086%。

その後、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、シンジケート団を通して10年債を発行し、200億ユーロを調達したと確認。調達額の7倍の需要があったと明らかにした。

欧州委によると、EUによる一回の債券発行として今回の調達額は過去最大だった。

復興基金では、2026年までに債券発行を通じて最大8000億ユーロを調達する。調達した資金は補助金・融資の形で加盟国に分配される。

フランスのボーヌ欧州問題担当相は5月31日、今回の起債では100億ユーロを調達すると明らかにしていたが、実際の調達額はこれを大きく上回った。

EUはこれとは別にSURE向けに900億ユーロの債券を発行しているが、復興基金債の発行規模ははるかに大きいため、EUが世界最大の超国家的発行体となる可能性がある。