[15日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)が15日に公表した6月の理事会議事要旨によると、理事会は債券買い入れプログラムの停止検討は時期尚早との認識で一致した。

議事要旨は「債券買い入れプログラムは景気回復に必要な緩和的環境を支える要因の一つであったことを踏まえ、理事会はプログラムの停止を検討することは時期尚早だと認識した」としている。

理事会は、1000億豪ドル規模の債券買い入れプログラムをさらに半年延長し、購入規模を縮小するという選択肢についても議論した。

プログラムをより長期間行い、指標や経済見通しに基づいて購入ペースを今よりも頻繁に見直すという方針に変えることも議論した。

議事要旨は「7月の決定においては、雇用とインフレに関する理事会目標の進捗状況と、異なる選択肢が金融状況全体に及ぼす可能性のある影響について主に考慮する」としている。

6月の声明文から「さらに国債を購入する用意がある」との文言が削除されたことを受け、債券買い入れプログラムが見直されるとの観測が高まった。

中銀は、7月理事会後にロウ総裁が会見を開くことも発表している。

金融緩和の必要性として中銀はこれまで、インフレ率目標(2─3%)の達成を後押しするため、賃金上昇率が3%を大幅に上回る必要があるとの見解を繰り返し示している。

コアインフレ率は現在過去最低の1.2%。賃金の伸びは1.5%で、欧州の2%や米国の約3%を下回っている。