[バンコク 14日 ロイター] - タイ国内11県の130カ所を超える工場で新型コロナウイルスの集団感染が確認され、輸出や景気回復に悪影響が及ぶとの懸念が浮上している。工場での感染者数は7100人に上り、刑務所や建設現場と並んで製造業の現場が主要な感染源となっている。

政府のデータによると、感染が確認された工場は国内約6万3000カ所(雇用者数340万人)のごく一部にすぎないが、複数の当局者は観光収入が激減する中で経済を下支えてきた輸出への影響を懸念している。

2020年は輸出が国内総生産(GDP)の45%を占めた。

業界団体の幹部はロイターに対し、電子機器、ゴム手袋、食品などの輸出セクターに影響が及んでいるとしたが、全体的な影響を評価するには時期尚早だと述べた。

ただ、すでに生産縮小を余儀なくされているところもある。

40カ国に輸出する食品大手チャルーン・ポーカパン・フーズは、閉鎖した工場のブロイラー生産量が全体の10%に相当すると発表。

インスタント麺などを製造するタイ・プレジデント・フーズも工場閉鎖を決めた。同社は半製品売り上げの3分の1を海外向けが占めている。