[9日 ロイター] - 調査会社ICISエッジは9日、中国が今年、日本を抜いて世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入国になるとの見通しを示した。

一部のアナリストは、中国が世界最大のLNG輸入国になるのは2022年以降だとの見方を示していたが、同社によると、過去12カ月ベースで、非常に近い時期に世界首位になる可能性がある。

中国の力強い景気回復、寒波、また政府の環境汚染対策により、汚染の少ない化石燃料の需要が高まっていることが背景。

日本は数十年前から世界最大のLNG輸入国となっているが、輸入量は長期的に減少傾向にある。中国が日本を抜けば、急拡大しているLNG市場に大きな変化が起きることになる。

ICIS・LNGエッジによると、2020年6月ー2021年5月のLNG輸入量は、中国が7627万トン、日本が7632万トン。

2021年の輸入量は、中国が8120万トンと、日本の7520万トンを上回る見通しという。

LNGの二酸化炭素排出量は、石炭の約半分。中国のエネルギー源に占めるLNGの割合は約10%と、石炭、石油に次いで第3位となっている。

ICIS・LNGエッジは「好調な経済、政府の規制、LNGなどガスインフラへの投資を背景に、中国のLNG需要は長期にわたって拡大している」と指摘した。