[東京 8日 ロイター] - 政府は、新たな経済財政運営の指針(骨太方針)で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度までに黒字化させる財政目標を堅持する方針だ。新型コロナウイルス感染症の経済的な影響を年度内に検証し、目標年度を再確認することも打ち出す。複数の政府関係者が8日までに明らかにした。

骨太方針では、2018年に明記したPB黒字化目標や22年度から24年度までの3年間の予算編成で歳出の目安を設けることを確認。「経済あっての財政」との考えを前面に掲げ、デフレ脱却や経済再生とともに「将来世代の不安を取り除くためにも、社会保障の持続可能性を確保し、全ての団塊世代が75才以上になるまでに財政健全化の道筋を確かなものとする」と明記する。

ワイズスペンディング(賢い支出)を徹底するなどして経済・財政の一体的な改革を進め、「財政健全化の道筋を確固たるものにしていく」との考えも示す。財政目標については「本年度内に感染症の経済財政の影響の検証を行い、その検証の結果を踏まえ、目標年度を再確認する」としている。PB黒字化と同時に、現時点では、債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指すことも維持する。

原案は9日の経済財政諮問会議に提示し、与党との協議も踏まえ18日に新たな方針を決定する。