[ワシントン 7日 ロイター] - バイデン米大統領は、英南西部コーンウォールで11─13日に開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、新型コロナウイルスやロシア、中国など同盟国が足並みをそろえて対抗すべき問題に主眼を置く見通し。

サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、記者団にサミットについて説明し、「世界の民主主義国家と足並みをそろえ、現代の最も困難な課題に対処するというのがバイデン氏の外交政策の主眼で、今回の外遊は根本的に、これを前進させることになる」と述べた。

G7がランサムウエア(身代金要求ウイルス)によるサイバー攻撃に対する集団的防衛力を高め、身代金の支払いで主に使われる暗号資産(仮想通貨)がもたらす課題に対処する内容の「行動計画」をとりまとめることにも期待感を示した。

バイデン氏は就任後初の外遊で、G7サミット後にベルギーのブリュッセルに向かい、14日に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、トルコのエルドアン大統領と会談。15日は欧州連合(EU)との首脳会談に臨む。16日にはジュネーブでロシアのプーチン大統領と会談する。

食肉加工世界最大手JBSがロシアに本拠を置くとされる犯罪集団によるランサムウエア攻撃を受けたほか、ロシアは、民間旅客機を強制着陸させ反体制派ジャーナリストを拘束したベラルーシに資金支援を行っており、米当局はロシアに対して一段と厳しい行動を取る構えだ。

サリバン氏はロシアとの首脳会談について、プーチン大統領への「褒美」ではなく、両国間の相違を理解し管理するために、プーチン氏の見解を直接に聞く最も有効的な手段との認識を示した。

「われわれは非常に多くのことに取り組む必要がある」と強調した。

一方、NATOのストルテンベルグ事務総長は7日、ホワイトハウスでバイデン氏と会談後、NATO首脳会議ではロシア、中国、サイバー攻撃、気候変動などへの対処が議題になるとの見通しを示した。

ロシアについては「われわれは抑止、防衛、ロシアとの対話という並行的アプローチについて合意している」と述べた。

サリバン氏によると、バイデン大統領はNATO首脳会議で、加盟国の責務分担の重要性や同盟国の演習や活動への貢献の必要性についても強調する見通し。

ロシアが米政府に対し「有害な」活動を継続すれば、米国は対応するとも言明した。

バイデン大統領とエルドアン大統領との会談では、シリアやアフガニスタン情勢などに加え、米・トルコ政府間の相違点にどのように対処してくかなど、二国間関係を巡り幅広い協議が行われる見通しと語った。