(ブルームバーグ): 中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は3日、フィンテック企業アント・グループの新たな消費者金融会社の営業開始を認めたと発表した。当局の指示で新規株式公開(IPO)を昨年中止した同社は、オンライン融資事業を新会社に移管する。

銀保監会の通知によれば、重慶市に登記された「重慶螞蟻消費金融」は個人向け融資と起債、本土金融機関からの借り入れが認められる。

中国アント、新チームで外国当局との良好な関係構築目指す-関係者

馬雲(ジャック・マー)氏が創業したアリババグループ傘下のアントは金融持ち株会社への移行を進めており、新会社の開業認可は抜本的な事業再編で重要な一歩となる。金融持ち株会社は銀行と同じような規制対象となる。

新会社を通じアントは収益性の高い消費者金融事業を続けることができるが、移管によって同事業の規模にどのような影響が及ぶのかは不明。ジェフリーズの陳姝瑾アナリスト(香港在勤)は「曖昧さはあるが、一歩前進したということが重要だ」と指摘した。

アントはオンライン融資事業とローン残高を重慶螞蟻消費金融に移管する必要がある。同社の登録資本金は80億元(約1380億円)で、アントの出資比率は50%。

原題:Ant Gets Go-Ahead for Consumer Lending Unit in Sign of Thaw (1)(抜粋)

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