[1日 ロイター] - ビデオ会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは1日、第2・四半期(5─7月)の売上高について、9億8500万─9億9000万ドルになるとの見通しを示した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想(9億3180万ドル)を上回った。

同社は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に在宅勤務や遠隔授業などに伴う需要で昨年に急成長を果たした。足元でリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド型の勤務体系を採用する企業が増える中、今後もビデオ会議システムへの安定した需要を見込む。

同日発表した第1・四半期決算も、売上高が市場予想を上回った。

ただ、アナリストは新型コロナワクチンの普及や生活の正常化、マイクロソフトやシスコシステムズ、グーグルなどによる競合サービスの増加を踏まえ、ズームの成長の持続性に懐疑的だ。

サード・ブリッジの上級アナリスト、ジョー・マコーマック氏は「今後数四半期に、シスコやマイクロソフトなどと、どの程度持続的に競争できるのかが注目される」と述べた。

第1・四半期の売上高は9億5620万ドルと、前年同期の3億2820万ドルから増加し、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の9億0600万ドルを上回った。

普通株主帰属の純利益は2億2740万ドル(1株当たり0.74ドル)と、前年同期の2704万ドル(同0.09ドル)から拡大した。

調整後ベースの1株利益は1.32ドル。市場予想は0.99ドルだった。

同社サービスに年間10万ドル超を支払う顧客は約2000件と前年同期から約160%増加した。

ただ、コスト増大を受け、ズームの株価は引け後の時間外取引で一時5%下落した。第1・四半期のコストは155%増の2億6500万ドルだった。株価はその後上昇に転じ、2%高となった。

無料ユーザーの急増が、コスト上昇につながっている。

同社はハイブリッド型の働き方を念頭に、クラウドベースの電話サービス「Zoom Phone(ズームフォン)」や会議室と外部をつなぐ会議システム「Zoom Rooms(ズーム・ルームズ)」に軸足を移している。