羊毛は、究極のサステナ素材？ 「尾州ウール」産地がいまアツい理由

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• 中野 香織

  Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている

  ・2021年06月02日

  尾州のウール産業の最近の各種取り組みには目を見張るものがあります。ここに登場していない老舗「国島」も、日本の牧羊業を守るべく、これまで捨てられていた日本中の羊毛を集めてツイードを作る「J Shepherds」のプロジェクトを好評のうちに進めています（今年で2年目）。
  
  日本のスーツ関係者はいまだにイタリアやイギリスのウール生地を一流ともてはやし、日本の生地を軽視しますが、ここ数年の日本産の生地はとてもハイレベルになっています。そもそも日本の気候にとってもあっている。ブランディングが海外に比べて不器用なだけなので、もっとスーツ業者も偏見にとらわれない目で日本のウールを見直し、評価すべきだと思います。それが日本の牧羊業、ひいては自然を守ることにもつながります。（ちなみに私はほぼすべて日本産の生地でスーツを作っています。生地ランクにもよりますが、ほんとにおすすめ）