【直撃】アクセンチュア傘下「Droga5」日本上陸の衝撃
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「我々の競争相手、それはアクセンチュアです」
ロンドンに本拠地を置く世界第1位の広告代理店グループWPPを退社し、S4キャピタル(S4 Capital)を創立した広告業界の巨人、マーティン・ソレル卿は、『campaign』のインタビューでそう語りました。
とりわけ世界の広告会社が、脅威と感じる広告クリエイティブ会社がアクセンチュアの傘下のDroga5です。
世界3番目の拠点として、日本オフィスがついに立ち上がりました。本記事はそのCCOに就任した浅井雅也氏です。
上流から下流まで一気通貫してプロジェクトを担うことで、上流と下流の情報や指揮系統の分断がなくなる。上位概念の経営戦略と、現場の接客などに一貫性が生まれるなどのメリットを説きます。
クライアントに「そもそもテレビCMを打つことが必要か」ということさえ提案することも可能とのこと。
そうなると、利益率が高いことからテレビCMを売りたいのが本音であろう広告会社にとっては、面白くない競合なのではないでしょうか。
こうした動きに日本の広告会社はどのように対抗してゆくのか? についても、取材してゆきたいと思います。先月19日、アクセンチュアが同社傘下のクリエイティブエージェンシー『Droga5』の東京オフィス設立をアナウンスし、広告業界に衝撃が走りました。
クライアント企業の「ブランドパーパス」を起点とした、一貫性のあるクリエイティブを武器として急成長してきた Droga5。本拠地アメリカでは、アマゾンやコカコーラ、ニューヨークタイムズ誌など、名だたる企業のクリエイティブを手掛けてきました。
また近年は、同社を買収したアクセンチュアのケイパビリティを生かし、従来の広告代理店では手がけることが難しかった上流部分へのアプローチも加速しています。
同社を傘下に置くアクセンチュア・インタラクティブは、これまでもIMJやフィヨルドといった会社を買収し、ビジネスの上流から下流までケイパビリティを拡大してきました。
一方、これに対抗する電通や博報堂といった大手広告代理店も、コンサル会社を自社に抱え、上流領域への進出を強めています。
そんな中、アクセンチュアの次なる一手として、大きな注目を集めるDroga5 Tokyo。
日本でどのようなインパクトを出すつもりなのか? 同オフィスのCCO(Chief Ceative Officer : 最高クリエイティブ責任者)に就任された浅井雅也氏に、じっくりとお話を伺いました。
「日本には良い企業が沢山あるのに、世界へのブランディングが上手くできていない」と語る浅井さん。グローバルに活躍する若いクリエイターが、日本という国に愛着と情熱を注がれていることに、個人的に嬉しさを感じました。パーパスから深掘りし、デザインとマーケティングを再設計するのは、間違いなく今の社会トレンドにマッチしています。Droga5は「パーパス」x「グローバル」を特に強みにしているのでしょう。
一方会社の視点で考えるとどうか。パーパスから深掘りするアプローチは価値が高い一方、この部分も外部リソースに頼るようになると、最終的に経営で内製化必須のmust haveとして残るのは何か。
パーパスから会社の「カルチャーを維持改善」する部分の重要性はよりハイライトされていくのでしょう。これはガバナンスにも関係していきますが、より本質的にはインテグリティが外注するのが一番難しい部分になるのかもしれません。