[ジャカルタ 31日 ロイター] - インドネシア銀行(中央銀行)のワルジヨ総裁は31日、米連邦準備理事会(FRB)が来年に金融政策を引き締める可能性があるとの見解を示した。そのような動きに対し中銀としてに備える必要があると述べ、国内金融市場に影響する恐れがあると警告した。

また、通貨ルピアについて、今年に1ドル=1万4200─1万4600ルピアで推移した後、来年は1万4100─1万4500ルピアにやや強含むと予想した。

ルピアは、米国債利回りの上昇に伴う資本流出でここ数カ月圧迫されている。31日の終値は1万4275ルピア。

ワルジヨ総裁は、FRBが緩和的な政策へのコミットメントを再確認したことから世界的な不透明感は後退しているとした上で、インドネシア中銀はFRBが緩和措置を縮小し始めた場合に備えると表明。

議会の公聴会で「来年はFRBが金融政策を転換し、流動性介入を減らす可能性に備えなければない。政策引き締めに動いて利上げする可能性もある」と述べ、そうした米国の政策転換は国内の債券利回りに影響を与える見通しだと指摘した。

インドネシアは経常赤字を抱え、赤字を補うためにポートフォリオ投資の流入に頼っており、外国人投資家が国債の大部分を保有している。

スリ・ムルヤニ財務相は同じ公聴会で、インドネシアの10年債利回りが来年6.32─7.27%のレンジ内で推移するとの見通しを示した。

同10年債利回りは31日、6.445%にやや上昇した。

ワルジヨ総裁は、インドネシア中銀の政策は景気回復の支援が目的だとし、インフレ率上昇の初期兆候が見られるまで金利を低水準に維持すると改めて表明した。

また、国内総生産(GDP)は今年に4.1─5.1%、来年に5─5.5%、それぞれ増加すると予想。インフレ率については2021─22年に2─4%の範囲内に収まるとの見通しを示した。