[東京 28日 ロイター] - 西村康稔経済再生相は28日午後、緊急事態宣言の期限延長について説明するための衆院議院運営委員会で、期限延長は「これで最後にしたいとの気持ちで全力で取り組んでいる」と説明した。立憲民主党の渡辺周議員への答弁。

<小刻み延長は有効か─立憲・渡辺氏>

渡辺氏が小刻みな期限延長の繰り返しの有効性に疑問を呈し、今回の延長で最後だと断言できるかとただしたのに対し、西村氏は「(延長の)スタートラインに立ったところで先のことを述べるのは控えたい」と明言を避けた。

東京五輪・パラリンピックについて、渡辺氏はもはや開催する段階ではないのではと質問。西村氏は「安心・安全の大会となるよう医療体制を含め全力で取り組む」と述べた。

共産党の塩川鉄也議員は、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長が緊急事態宣言下でも開催すべきと発言したことに対する西村氏の見解を質問。西村氏は明確な回答を避けつつ、開催により「国民に感染が広がるとの不安」があると指摘し、安心・安全な大会とするとの公式見解を繰り返した。

日本維新の会の遠藤敬議員は、感染拡大に歯止めがかかるとされる、国民のワクチン接種率が5割に達する時期について質問。西村氏は7月末に医療従事者と希望する高齢者への接種が予定通り完了すれば、国民の3割が接種することになるとの試算を示した。

<「五輪開催結構だが人流増える」と専門家>

参院議院運営委員会では立憲民主党の森本真治議員から、感染専門家の間での五輪に対する見解を質問。西村氏は「『個人的には開催していただいて結構だが、人流は増える』との指摘があった」と説明した。

維新の石井章議員は、IOCのパウンド委員による、菅首相が中止表明しても大会は開催されるとの発言は「日本のトップが馬鹿にされたように感じる。抗議すべき」と述べたが、西村氏は具体的なコメントを控えた。