[26日 ロイター] - 米石油大手エクソンモービルの年次株主総会が26日開かれ、米ヘッジファンドのエンジン・ナンバーワンが提案した4人の取締役候補のうち、少なくとも2人が選出された。

エンジン・ナンバーワンを中心とした「物言う株主」は、世界的に脱炭素に向けた動きが加速する中、株主の将来価値に向けてウッズ最高経営責任者(CEO)は大きな変化を起こす必要があると主張、取締役の刷新を求めていた。2500億ドルに近いエクソンの時価総額に対して、同ファンドが保有するエクソン株はわずか5000万ドル程度。

一方、ウッズCEOは、既に低炭素への取り組みを進めており、収益も改善していると強調し、エンジン・ナンバーワンが推薦する候補を承認しないよう株主に呼び掛けていた。

エクソンが総会後に開示した株主投票の暫定結果によると、現職の取締役12人のうち、ウッズCEOを含めた8人が再任された。集計作業は終了しておらず、エンジン・ナンバーワンが推薦した4人中、最終的に3人が取締役に就任する可能性もある。今後エクソンは、環境対策でより踏み込んだ対応を求められる。●以下既出

資産運用世界最大手の米ブラックロックもエンジン・ナンバーワンの推薦者の3人に賛成票を投じたもよう。ブラックロックはエクソン株を約6%保有する大株主。

MSCIのESG(環境・社会・ガバナンス)リサーチ部門エグゼクティブ・ディレクター、リック・マーシャル氏は「投資家が気候変動について真剣に考えていることを示しているだけでなく、エクソンの取締役会の全体的な姿勢に対する拒絶でもある」と述べた。

株主総会ではまた、エクソンに対し気候変動対策などに関するより詳細な情報を公表するよう要求することも承認された。

石油大手を巡っては、オランダ・ハーグの裁判所が26日、英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの現行の温暖化ガス削減目標は十分でないとし、2030年までに19年比で45%削減するよう命じる判決を言い渡し、世界的に脱炭素の圧力が強まっている。