[21日 ロイター] - 中国の国債利回りが21日の取引で、約9カ月ぶりの水準に低下した。中国政府がコモディティーの投機取引を取り締まる方針を示したことを受けて、インフレ懸念が緩和したことが背景。

リフィニティブのデータによると、10年債利回りは4.1ベーシスポイント(bp)低下し、3.068%。1週間で5.5bp低下した。昨年9月以来の低水準で、週間の低下幅としては昨年12月以降で最大となった。

中国国務院(内閣に相当)は19日、コモディティー価格の「不合理な」上昇を抑制し販売価格への転嫁を防ぐために、需給両面の管理を強化する方針を示した。

北京のトレーダーによると、これを受けてコモディティー価格が急落、インフレ懸念が後退した。また、流動性の季節要因で債券投資の魅力が高まっているという。

リフィニティブのデータによると、5年債利回りと20年債利回りも低下し、昨年8月以来の低水準となった。

海外からの資金流入も、中国国債の支援要因となっている。海外市場では利上げ観測を背景に債券価格が下落しているが、中国国債の価格は年初から上昇している。

銀行間債券市場の証券決済機関、中国中央国債登記結算(CCDC)のデータによると、外国人の中国国債保有高は4月末時点で2兆0960億元(3261億3000万ドル)と、過去最高を記録。前月比で2.5%増加した。