[アムステルダム 20日 ロイター] - 日産自動車前会長で現在逃亡中のカルロス・ゴーン被告が、日産自と三菱自動車がオランダに設立した統括会社「日産三菱BV(NMBV)」と雇用契約および報酬を巡り争っていた裁判で、アムステルダムの裁判所はゴーン被告に対し報酬500万ユーロ(610万ドル)を返還するよう命じた。

裁判所は、ゴーン被告とNMBVとの雇用契約が日産自と三菱自の取締役会による承認を得ておらず有効ではないと判断。2018年4─11月にNMBVから受け取った報酬の手取り額500万ユーロの返還を求めた。またゴーン被告がNMBVで自身の報酬などを不当に決定していたとした。

ゴーン被告は自身が解雇された際にオランダの労働法違反があったと主張。未払い賃金および退職金として1500万ユーロの賠償を求めていた。

ゴーン被告の広報担当者によると、ゴーン被告は控訴する見通し。

判決を受け、日産自は「裁判所がゴーン氏のNMBVに対する根拠のない請求を棄却し、ゴーン氏が不法に流用した多額の金額の返済を命じたことを喜ばしく思う」と指摘。三菱自も「当社が日産自とともに行ってきた主張が認められたものであり、この判決を歓迎する」とした。