[ワシントン 18日 ロイター] - 米民主党上院トップのシューマー院内総務は18日、国内の半導体生産・研究の大幅強化に向け5年間で520億ドルを支援する超党派法案を公表した。

半導体業界緊急支援案は、週内の審議開始が予定されている、米国の基礎・先端技術研究などに5年間で約1200億ドルを支援する法案に統合される見通し。

シューマー氏は支援案について、「米国が今後も半導体生産の最先端を行くよう確実に図る狙い」があると説明。半導体を外国に依存することは断じてできないとした上で、「今回の修正で依存する必要がなくなるだろう」と述べた。

既に成立した今年の国防権限法で規定された半導体関連措置の財源として495億ドルを手当てするなどの内容となっている。

バイデン大統領も、半導体生産・研究の大幅強化に500億ドル規模の予算措置を呼び掛けてきた。

緊急支援策の支持者らは、米国の半導体および超小型電子機器市場に占めるシェアが1990年の37%から12%に低下したとして危機感を示してきた。

この日公表された法案の要約は「中国共産党は半導体製造に1500億ドル余りを積極的に投資している。この主要技術を牛耳るためだ」と説明。国防権限法の半導体関連措置の早期実施を後押しすることになるとした。

支援策の内訳は、390億ドルが半導体生産と研究開発(R&D)のインセンティブ(奨励策)で、105億ドルはR&D関連事業に投資する。

世界的な半導体不足で米国内の自動車生産は打撃を受けている。

法案はまた、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ) や中興通訊(ZTE)の製品に代わる欧米製品の振興資金として15億ドルが盛り込まれた。米通信会社が支持するオープンアーキテクチャー仕様の「O-RAN(Open RAN)」の開発加速を目指す。

政府の端末に中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」をダウンロードすることを禁止する規定も含まれた。「米国人のプライバシーおよびセキュリティー保護の向上」が狙いだとしている。

シューマー氏は、技術競争を中心に多くの面で中国の脅威が高まっており、米国はこれに対処しなければならないと指摘。大胆に対応を強化しなければ、高賃金の雇用機会を大幅に失う恐れがあると付け加えた。