[ブラジリア 13日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーの中南米地域担当の責任者は13日、ブラジルの議員らに対し、同社が昨年8月から11月にかけて新型コロナウイルスワクチン販売を同国保健省に繰り返し持ちかけていたが、返事がまったくなかったと証言した。

9月12日には同社の最高経営責任者(CEO)がボルソナロ大統領や、当時のパズエロ保健相を含む閣僚メンバーに書簡を送り、同国へのワクチン提供に関心があることを表明していたという。

ブラジル連邦上院の委員会は現在、ボルソナロ政権が適切な時期にコロナワクチンを確保するのを怠り、国内の感染者と死者の記録的な急増を招いたと批判し、政権のコロナ対策に不手際があったかどうかを調査している。同委員会によると、9月12日の書簡は2カ月間、返事が出されないままだった。

2人の関係者がロイターに語ったところによると、パズエロ氏がファイザーの昨年の提案に応じなかったのは、英国や中国で開発されブラジルで生産されるワクチンに頼るべきだと同氏が考えていたためという。同氏はワクチン接種の遅れへの批判が高まり、先月に保健相を辞任している。

ブラジル政府は結局、今年3月にファイザーと1億回分の供給協定を結び、第1陣は4月下旬にようやく100万回分が到着した。