[ワシントン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は13日、金融政策の変更を検討する前に「さらに数カ月分のデータ」が必要だという考えを示した。直近の低調な雇用統計やインフレ率の上昇が一時的であることを確認するためという。

ウォラー理事は「米経済はアクセルを踏み、非常に力強い回復を続けている」とした上で、4月の消費者物価指数(CPI)と雇用統計はサプライズとなり、「全ての専門家に衝撃を与えた」と指摘。5─6月の雇用統計により「4月が異常値であったことが明らかになるかもしれないが、政策スタンスの変更に関する検討を開始する前に、そのことをまず確認しなければならない」とし、「今こそ一時的なデータのサプライズに惑わされることなく、忍耐強く、冷静な目を持つ必要がある」と語った。

4月のCPIは総合指数が前年比4.2%上昇し、2008年9月以来、約12年半ぶりの大幅な伸びを記録した。

ウォラー氏は、サプライチェーンの供給制約(ボトルネック)の解消に加え、消費者による余剰貯蓄の取り崩しが見込まれることから、CPIの上振れは一過性に終わると予想。物価の伸びは向こう2年間、2.25─2.5%の間で推移するとみられ、近年のさえない伸びを補うために高めのインフレ率を容認するというFRBの方針に沿った動きになると述べた。

同時に、物価の伸びが何カ月にもわたって4%に達するようなら「非常に懸念される」とも強調した。