[トロント 11日 ロイター] - カナダは新型コロナウイルス禍以降で初となる米ドル債を発行し、35億ドルを調達した。ロイターが11日確認したタームシートで分かった。

期間は5年。スプレッド(米国債と比較した利回り上乗せ分)は6ベーシスポイント(bp)で、2020年1月にカナダが前回グローバル債を発行した時と同水準だった。表面利率(クーポン)は0.750%。

新型コロナ危機で政府の借り入れは膨らんでいるものの、カナダ国債は引き続き魅力的な投資先になっているもよう。

TDセキュリティーズの米金利シニアストラテジスト、ジェナディティー・ゴールドバーグ氏は「世界的な低金利環境下で、市場が利回りを求めていることを示している」と説明した。

財務省は10日、グローバル債の発行はカナダの外貨準備を補完し、その多様化を後押しすると説明した。

カナダの公的債務の大半はカナダドル建て。22年3月までの会計年度の借り入れは1兆3000億カナダドル(1兆0800億米ドル)に拡大し、コロナ危機前より80%増加すると予想されている。国内総生産(GDP)に対する債務の割合は51.2%と、1999年以来の高水準に達する見通し。

フィッチ・レーティングスは昨年6月、カナダの信用格付けを最上位のトリプルAから1段階引き下げた。一方、S&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・インベスターズ・サービスは引き続き、カナダの格付けを最高位に据え置いている。