[東京 12日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比169円07銭安の2万8439円52銭となり、続落した。朝方は堅調に始まったものの、米長期金利、米株市場の先行きに警戒感が強く、マイナス圏に沈んだ。ただ、時価水準はチャート上の下値目安として意識されており、中盤から下げ渋った。

11日の米国株式市場は続落。コモディティー価格の上昇や労働力不足を受け、短期的な価格上昇が長期的なインフレにつながるとの懸念が広がっている。主要株価3指数はいずれも取引時間中の安値から下げ幅を縮小して引けた。

日本株は前日の急な下げに対する反動もあって自律反発して始まったものの、依然として米金利上昇に対する警戒感が強く、マイナスに転じた。ただ、3月5日の安値2万8308円57銭をはじめ、時価水準では過去に3度下げ止まった経緯があるため、底堅いとの印象もある。実際、買い戻す動きもあり、中盤からは下げ渋りとなった。

市場では「米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて日本株は引き続き米国株式市場への警戒感を抱きながら動くことになりそうだ」(野村証券・エクイティ・マーケットストラテジストの澤田麻希氏)との声も聞かれる。

TOPIXは0.90%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆5261億9700万円だった。東証33業種では、海運業、卸売業、鉄鋼などが値下がりし、上昇はサービス業など5業種にとどまっている。

個別では、朝高で始まった東京エレクトロンが続落となったほか、後場立ち会い時間中に決算を発表するトヨタ自動車もさえない。半面、指数寄与度が大きいファーストリテイリングが上伸した。

東証1部の騰落数は、値上がりが687銘柄、値下がりが1407銘柄、変わらずが94銘柄だった。