[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。コモディティー価格の上昇や労働力不足を受け、短期的な価格上昇が長期的なインフレにつながるとの懸念が広がった。

主要株価3指数はいずれも取引時間中の安値から下げ幅を縮小して引けたが、売りは幅広いセクターで広がった。

LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「今月これまで軟調だったハイテク株に遅れて他のセクターにも売りが波及し、広範囲で弱さが見られた」と述べた。

米労働省が発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が2000年12月の統計開始以降で最高を記録。労働力の供給が需要増大に追い付いていない状況が示された。

メキシコ料理チェーンのチポトレ・メキシカン・グリルは10日、平均時給を15ドルに引き上げる計画を明らかにした。

LPLのデトリック氏は「インフレ懸念は続く。サプライチェーンの問題と記録的な景気刺激策、逼迫(ひっぱく)の様相が見られる労働市場が重なり、夏場を通じてインフレが上昇傾向をたどるとの懸念が出ている」と指摘。「2023年より後まで利上げしないと言う米連邦準備理事会(FRB)を(市場は)信じていないだろう。そこに乖離点があるかもしれない」と語った。

S&P総合500種の主要11セクターでは素材のみがプラス圏で終了。エネルギーは2.6%安と最も下げがきつかった。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は、3月11日以来の高水準となる21.85で取引を終えた。

個別銘柄ではボーイングが1.7%安。電気系統の問題で4月の「737MAX」の納入機数が4機に減少した。

テスラは1.9%安。関係筋によると、同社は米中関係の緊張による不透明感を理由に、中国・上海工場の拡張計画を凍結した。

アパレルのLブランズは、ランジェリーブランド「ビクトリアズ・シークレット」とパーソナルケアブランド「バス・ボディ・ワークス」の2つの上場企業への分社化を発表。株価は1.8%下落した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.85対1の比率で上回った。ナスダックでは1.62対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は117億8000万株。直近20営業日の平均は103億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 34269.16 -473.66 -1.36 34572.74 34572.74 34075.31

前営業日終値 34742.82

ナスダック総合 13389.43 -12.43 -0.09 13115.85 13423.31 13107.67

前営業日終値 13401.86

S&P総合500種 4152.10 -36.33 -0.87 4150.34 4162.04 4111.53

前営業日終値 4188.43

ダウ輸送株20種 15708.35 -221.11 -1.39

ダウ公共株15種 910.14 -9.79 -1.06

フィラデルフィア半導体 2976.01 +8.90 +0.30

VIX指数 21.84 +2.18 +11.09

S&P一般消費財 1378.57 -12.82 -0.92

S&P素材 551.24 +1.92 +0.35

S&P工業 878.28 -12.86 -1.44

S&P主要消費財 724.19 -6.36 -0.87

S&P金融 616.09 -10.46 -1.67

S&P不動産 262.66 -2.96 -1.12

S&Pエネルギー 394.09 -10.36 -2.56

S&Pヘルスケア 1431.91 -14.11 -0.98

S&P通信サービス 251.56 -1.35 -0.53

S&P情報技術 2372.72 -5.78 -0.24

S&P公益事業 334.56 -4.04 -1.19

NYSE出来高 10.65億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 28625 - 65 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 28615 - 75 大阪比