[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが2カ月半ぶり安値近辺で推移。インフレ高進によってドルの価値が目減りするとの警戒感が高まる中、12日発表の米消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。

終盤の取引で、主要通貨バスケットに対するドル指数は0.11%安の90.138。一時89.979と、2月25日以来の安値に沈んだ。

アクション・エコノミクスは、ドル指数が2月25日以来初めて90を割り込んだことで、ドルのショートポジションをカバーする動きが一部で強まったと指摘した。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、米CPIが市場予想を上回る内容となったとしても、市場参加者は米連邦準備理事会(FRB)が反応しないと予想しており、ドルは伸び悩む公算が大きいとの見通しを示した。

カナダドルは一時、対米ドルで3年半ぶりの高値を更新。その後は0.08%高の1.209カナダドル。

前出のシャモッタ氏は「カナダ経済は堅調に推移しており、カナダ中銀がFRBに先立ち利上げに動くとの見方を支えている」と指摘した。

ユーロ/ドルは0.21%高の1.215ドル。一時、2カ月半ぶり高値を付けた。

暗号資産(仮想通貨)のイーサは2.6%高の4057ドル。月初からの上昇率は約46%。