[東京 11日 ロイター] - 東芝の取締役会は、投資ファンドが同社を巡り買収合戦を繰り広げる可能性がある中、戦略の見直しを図るため、UBSを財務アドバイザーに任命する予定だ。複数の関係筋が明らかにした。

日本のUBSの広報担当者から、コメントは得られていない。東芝はUBSの任命についてはコメントを控えたが、ロイターへの声明で、アドバイザーの起用は意思決定の透明性向上に資すると指摘。同社取締役会は独立した立場で財務・法務アドバイザーを選定しており、企業価値を向上させる方法について、独自の立場で戦略的検討を行うとした。

英CVCキャピタル・パートナーズは先月、東芝に買収提案を行ったものの、東芝はCVCの初期提案を「評価不可能」と判断。CVC側も買収に向けた検討を中断した。その後、ベインキャピタルやKKRなど複数の投資ファンドが東芝への買収提案を検討していることが、関係者らの話で明らかとなった。

関係筋によると、複数の投資銀行がアドバイザーへの指名を求めて東芝の社外取締役に売り込みをかけてきた。

関係筋の1人は、UBSが東芝の株主とも協議する見通しだと明らかにした。アクティビスト(物言う株主)対策で東芝経営陣のアドバイザーを務めるゴールドマン・サックスとは、異なる役割を務めることになるという。

UBSのアドバイザーへの起用に関する発表は、早ければ14日の東芝の決算会見で行われる可能性があると述べた。

CVCの買収提案を受け、東芝の主要株主は同社に対し、他の潜在的な買収者が買収案を提示する機会を確保し、戦略的選択肢を再検討するよう求めてきた。

東芝の主要取引金融機関の1つの幹部は先月、複数のプライベートエクイティー(PE)会社から、東芝の非公開化に向けた資金調達の可能性について接触を受けたが、協議は進展していないと述べていた。

*内容を追加しました。