[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリアのフライデンバーグ財務相は11日、2021/22年度(2022年6月末までの1年)予算案を発表した。予算規模は5890億豪ドルで、次の選挙をにらみ、引き続き新型コロナウイルス禍からの経済回復を支援する。

モリソン政権はコロナ禍からの経済回復を優先、財政均衡目標を棚上げにした。2025年6月までの予測期間は毎年財政赤字で、債務は1兆豪ドルに膨らむと予想する。

今年度の財政赤字は過去最高の1610億豪ドル、21/22年度は1066億豪ドルになり、以降、減少基調を見込む。

失業率は早ければ来年にも5%を切ると予想。

税収は回復し、社会保障関連支出は減少する見込み。

次の選挙をにらみ、中・低所得層向けの税還付延長といった景気刺激策とともに、女性や高齢者向けの政策も盛り込んだ。

17億豪ドル投じて子育て支援を強化。暴力被害を受けた女性の救済支援などを目的に、別途女性向け予算を組んだ。

高齢者介護分野の改革予算も計上した。

新型コロナ対策にはワクチン調達や検査施設などに約35億豪ドルを投じる。