[ワシントン 11日 ロイター] - 米リベラル系シンクタンク、アメリカ進歩センターは11日、米連邦準備理事会(FRB)は銀行に対し気候変動によって生じる損失に備えて資本を積み増すよう求めるべきと提言した。

FRBは新たな措置を直ちに導入し、銀行の資本を増強することができると指摘した。環境汚染への直接的な資金提供に連動して資本要件を設定することや、大手銀行へのストレステスト(健全性審査)に気候変動リスクを組み込むことなどを挙げた。

こうした変更の一部は大手銀行の反発を招く可能性が高い。FRB自身も環境への取り組みでは民主党左派議員が求めるよりもはるかに慎重なアプローチを取っている。

進歩センターは「金融規制当局が次の10年を一段のデータ収集と問題の調査に費やし、金融システムをリスクから守る措置を取らないでいることは非常に簡単だ」とし「(しかし)当局が手をこまねいていることによる金融システムへの潜在的なダメージはあまりにも大きい」と指摘した。

FRBはもっと迅速に動く必要があると主張。世界で企業が環境への負荷を減らす方向に向かう中で、汚染産業は今後価値が低下する可能性があるとして、こうした産業と関係の深い銀行には資本の積み増しを求めるべきと提言した。

最大手行に対しては、融資の規模と二酸化炭素(CO2)排出量を直接リンクさせて資本を上乗せするよう訴えた。

また長期的な気候変動に対する銀行の回復力をテストすると共に、年次のストレステストに短期的な気候変動リスクを組み入れることも求めた。