【ルネサス火災】完全復旧の見通しが「楽観的」すぎる理由
- 1カ月で「生産再開」
- 原因はいまだ不明
- 深まる謎
- 問われる供給責任
- 車載用半導体のジレンマ
- トヨタに影響も
- 半導体不足「5つの理由」
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ルネサスエレクトロニクスの那珂工場の火災事故は、昨秋後半から続く車載用半導体不足に追い討ちをかけました。1ヶ月という異例の早さで生産再開に漕ぎ着けたのは、現場で作業に携わった人々の協力の賜物と言えるでしょう。
しかし、安定した品質の製品を生産・出荷できるレベルに戻すのは簡単ではありません。今回は、復旧までの過程と火災事故の要因を整理するとともに、世界的な半導体不足、とりわけクルマ用の不足について簡単に説明していきます。
クルマ用の半導体事業は、サプライヤーにとって非常に厳しいものです。顧客の厳しい品質要求に応えてもあまり報われないためです。今も昔も、取材した全てのメーカーの人々は「常に奴隷扱いされてきた」と言います。
が、サプライヤーを軽視しすぎると、思わぬ形でしっぺ返しを食らうということを、自動車産業が学ぶ良い機会になったのかも知れません。
今回の火災事故は許されない人災です。多くの半導体工場や製造装置工場、シリコンウエハー工場のクリーンルーム内を実際に見てきた筆者としては、ルネサスの汚染されたクリーンルームの写真を見た時はショックでした。
ルネサスの主力は、モーターやエンジンなど車体制御に欠かせないマイコンです。彼らのV850シリーズやRXファミリなどの製品群が、私たちの生活に欠かせないクルマの心臓部品として機能しているのです。
クルマ用の半導体が、世界の半導体生産数量と金額全体に占める割合は、数%程度です(2020年時点)。それでも、基幹部品が1つ足りなければクルマは完成しません。また、EV(電気自動車)用の半導体市場が急速に立ち上がる中、サプライヤーと完成車メーカーの従来の力関係が変わっていく可能性はあるでしょう。
「ルネサス柴田社長 廃盤となっていた機種を、図面から起こして特急で装置を製作してくださるなど、信じられないレベルで助けていただいた。」
そんなことがあったんですね。設備製造には通常半年から一年かかるのもザラなので復旧は相当難しいだろうなと思っていたのですが、凄まじいスピードで立て直してきたなと思ってました。
それにしても火災は工場の天敵。なによりも意識していたリスクだと思いますが、その原因が特定できていないのは怖いですね。
>全ての車載用半導体メーカーの人々は「このビジネスでは、我々は常に“奴隷扱い”されてきた」と言う。この歪んだ構造を、変えるべき時ではないのか。
自動車メーカーに勤めている友人が似たようなことを言っていたのを思い出した。今回のルネサス火災は大きな影響をもたらし、自動車業界全体としても、半導体不足が言われているとのこと。
CPUやゲーム含めて、半導体産業が活発になる中、安く買い叩かれる文化に終わりが告げられるかもしれない。
資本主義のあるべき姿なのかな?
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