[ロンドン 7日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、アンディ・ホールデン氏は7日、政府が新型コロナウイルス支援策を終えた際に英企業の倒産が相次ぐとの見通しは持ってないとの見解を述べた。

ホールデン氏は企業向けの講演で、各社が最近蓄積した負債は返済期間が長いため「返済できる可能性が高まり、倒産が現在の比較的低い水準から大幅にペースが加速することはない」と指摘。「ただ、究極的には倒産を巡るリスクがあるため、注視する必要がある」とした。

また、物価上昇率が英中銀の最新の見通しを上回ったり下回ったりする「大きなリスク」があると言及。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)から経済が持ち直す中で、物価はまず目標の2%を上回り、その後は2─3年で目標に近づく見通しだ。「現時点でわれわれは、総じて上下双方のリスクがあるとみており、どちらとも大幅に振れる可能性がある。経済の状況を踏まえると避けられないことだ」と話した。

ホールデン氏とともに講演を行ったブロードベント副総裁は、政策当局者が金融緩和政策を行う可能性は3カ月前より低下したとし、緩和へのバイアスは以前ほど顕著ではないとの見方を示した。

ブロードベント氏は、6日に公表された中銀金融政策委員会(MPC)の議事要旨に言及。議事要旨は「MPCは引き続き状況を注視し、権限遂行に向け必要なあらゆる措置を講じる」としている。

一方、3月時点でこの部分は「インフレ見通しが弱まれば、委員会は権限遂行に向け必要なあらゆる追加措置を講じる用意がある」としていた。

ブロードベント氏は、議事要旨の文言の変化について「下振れリスクは引き続き存在するものの、いかに小さくなったかを示している」と説明した。

*内容を追加しました。