[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州シドニーでは5日、約1カ月ぶりに新型コロナウイルスの感染が確認された。

感染したのは50代男性。NSW州保健当局によると、検査の結果、男性はインド型変異ウイルスに感染していることが判明。ゲノム配列解析によると、米国からの帰国者と関連がある可能性があるが、両者の感染経路は明らかではなく「別の経路がある可能性もある」という。

オーストラリアでインド型変異ウイルスの市中感染が報告されるのは初めてとみられる。男性の妻に感染した。

保健当局によると、この男性を検査した結果、通常の感染者よりも高い値のウイルスが検出され、男性が感染を広げている可能性があるという。男性は4月30日から感染していたとみられ、NSW州では3月31日以来の感染者となる。

新型コロナを引き起こすウイルスの断片が一部地域の下水道から検出されたため、当局は地域住民に対し、軽いインフルエンザのような症状がある場合は検査を受けるよう指示した。

およそ1カ月ぶりの感染者発生を受けて、シドニーでは対人距離の確保に関する規制が再導入された。ニュージーランド政府は、オーストラリアとの間で先月開始したばかりの「トラベルバブル(隔離措置なしに相互の往来を認める制度)」について、感染者に関する調査が行われている間、NSW州に関して同制度の適用を停止すると発表した。

NSW州当局はまた、週末は母の日で多くの人が家族で集まると予想されることから、自宅に人を招く場合のゲスト数の上限を20人としたほか、高齢者施設への訪問者を入居者1人につき2人までとした。

公共交通機関や屋内ではマスクの着用が再び義務化される。これらの規制は10日朝まで実施される予定。

*内容を追加しました。