[29日 ロイター] - 米製薬大手メルクが29日発表した第1・四半期決算は、特殊要因を除いた1株利益が1.40ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想平均に0.23ドル届かなかった。メルク製品の約3分の2は病院で投与されるため、新型コロナ禍で生じたそれ以外の診療の遅れや、定期検診控えによる病気発覚の遅れなどによる総売上高への影響が6億ドル分に達した。

主力の抗がん剤「キイトルーダ」は売上高が39億ドルで、アナリスト予想の39億8000万ドルを下回った。がん検診を受ける人が減る傾向が続いており、がん治療を始める人も減少しているためという。

政府がコロナワクチン接種時期を他のワクチン接種と離すように呼び掛けていることで、ワクチン製品の売り上げも落ちた。子宮頸部がん予防ワクチンのガーダシルは米国だけでなく欧州や中国でも需要が減り、売上高が前年同期比16.4%減少。肺炎球菌性肺炎などを防ぐニューモバックスの売上高は33%減った。

こうしたワクチン売り上げ減少の影響は、今年上半期を通じて続くとの見通しを示した。今年の総売上高見通しは、従来予想の前年比2%減から3%減に下方修正した。