[ソウル 23日 ロイター] - 韓国政府は23日、一般市民に対し、新型コロナウイルスの自己検査キット2種類の利用を条件付きで初めて認めた。

感染拡大を受けて、検査の強化を求める声が高まっていることが背景。

同国ではクラスター(感染者集団)の発生が増えており、政府は感染第4波を回避するため、社会的距離(ソーシャルディスタンス)対策の執行強化を呼び掛けている。

政府は、承認の条件として、自己検査キットを製造するSDバイオセンサーとヒューマシスが追加の臨床試験データを3カ月間提供することを挙げている。

両社の製品は、欧州では昨年から利用されているが、韓国では医療専門家に利用を限定していた。

自己検査キットでは約15分間で結果が判明するが、精度は90%で、標準的なPCR検査の98%を下回っている。

洪楠基(ホン・ナムギ)首相代行は定例会見で「精度は異なるが、補助的なツールとして、こうしたキットを利用する必要がある」と述べた。

保健当局は、専門家以外の人がこうしたキットを利用すれば、誤って陰性反応が出るリスクが高まると主張してきたが、ここ数週間は、感染第4波への懸念が高まり、政府内で限定的な利用を認めるべきだとの声が広がっていた。

一部の地方政府のトップは、自宅や飲食店、店舗、崇拝の場などでこうした検査キットを活用するよう呼び掛けている。

同国の疾病予防管理庁(KDCA)は22日、797人の新規感染者を報告。第3波が収束し始めた1月7日以降で最多となった。

累計の感染者は11万7458人、死者は1811人。