[ソウル 21日 ロイター] - 韓国の元従軍慰安婦らが日本政府に対し損害倍書を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は21日、原告側の訴えを却下した。国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」の原則を認めた。

同地裁は1月に別の元慰安婦訴訟で訴えを認め、日本政府に対し初めて賠償を命じた。日本政府は1965年の日韓請求権協定で賠償問題は解決済みとの立場だが、慰安婦制度は人道に対する罪であり主権免除は適用されないとの判断を示していた。

今回の判決では「仮に主権免除の例外が認められれば、判決を履行する過程で外交上の対立が不可避になる」と指摘した。

両政府に外交を通じた協議によって問題を解決するよう求め、2015年の日韓合意が解決に向けた土台になるとの考えを示した。

加藤勝信官房長官は1月の判決とは異なるとの認識を示し、内容を精査する必要があるとして踏み込んだ発言は控えた。1月の判決は「国際法、および日韓両国の合意に明らかに反するもの」で受け入れられないと述べた。

訴えを起こした元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏は判決について「理不尽で間違っている」と非難し、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を求めると述べた。