[19日 ロイター] - 米IBMが19日発表した第1・四半期決算は、売上高が1年ぶりに増加に転じ市場予想を上回った。利益率が高いクラウドコンピューティング事業への投資が奏功した。

株価は引け後の取引で3%超上昇。年初来では6%近く値上がりしている。

ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)によると、米国の小売業、製造業、旅行業などの顧客によるクラウド関連の支出は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)当初による落ち込みから回復しているという。

クラウドコンピューティング事業の売上高は21%増の65億ドル。同社は分社化の準備を進めており、新生IBMは市場機会を1兆ドルと見込む「ハイブリッド・クラウド」事業に専念する予定。

総売上高は約1%増の177億3000万ドル。リフィニティブのデータによると、アナリストの予想平均は173億5000万ドルだった。

純利益は前年同期の11億8000万ドル(1株当たり1.31ドル)から9億5500万ドル(同1.06ドル)に減少した。

一時項目を除く1株利益は1.77ドル。市場予想は1.63ドルだった。

ムーア・インサイツ・アンド・ストラテジーのアナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏は「IBMにとって収益の稼ぎ頭である戦略的事業が復活している」と評価し、システム関連やグローバル関連サービスの伸びは驚きだと述べた。その上で「新年度を好調にスタートさせた」と指摘した。

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