[香港 19日 ロイター] - 関係筋によると、米シティグループは中国で投資銀行業務を拡大する計画だ。引き受け、セールス&トレーディング、先物取引部門を6月末までに設立するため、近く規制当局に申請する方針という。

同社は先週、中国本土など13市場のリテールバンキング資産を売却する方針を表明した。

投資銀行業務の拡大に伴い、既存の従業員と新規採用で約100人の雇用を確保する可能性があるという。

シティグループはコメントを控えた。

華福証券のアナリストは、シティの動きについて「中国の対外開放という大きな流れを反映したものであり、国内の証券会社は海外勢との競争に本格的に備えなければならない」と指摘。海外勢にとって中国市場には大きな潜在力があるが、市場シェアを獲得するには時間がかかるだろうとの見方を示した。

引受業務が認可されれば、上海証券取引所の科創板(スター・マーケット)など、急成長している中国本土の新規株式公開(IPO)市場に参入することが可能になる。

リフィニティブのデータによると、上海証券取引所のメインボード、科創板、深セン証券取引所の創業板(チャイネクスト)では、今年第1・四半期に総額89億ドルのIPOが実施された。

科創板のIPOでは、引き受け主幹事が2-5%の株式を購入し、2年間保有する必要がある。これが海外勢に参入を思いとどまらせる要因となっており、国内大手が圧倒的なシェアを握っている。