[チェンナイ 19日 ロイター] - インドが石炭火力発電所の新設を視野に入れていることが、ロイターが入手した「国家電力政策(NEP)2021」の草案で明らかになった。環境保護派は二酸化炭素(CO2)削減の観点から、同国に石炭火力発電の能力を増やさないよう求めてきた。

28ページの草案は2月に作成され、まだ公表されていない。草案には「インドは非化石燃料を通じた発電能力の拡大を約束しているが、石炭は依然として最も安価な電源であり、この国では石炭ベースの発電能力の拡大がまだ必要かもしれない」と記されている。

その上で、石炭火力発電所を新設する場合には、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える「超々臨界圧発電」技術か「その他のもっと効率的な技術」を採用すべきだとしている。

インド最大の発電会社である国営NTPCは昨年9月、新たな石炭火力発電プロジェクト用の土地を取得することはないと表明していた。全国の民間企業や多くの国営企業は、新規の石炭火力発電所への投資を何年間も行っていない。

インドでは、電源に占める石炭火力発電の割合が数十年にわたり拡大してきたが、2019年と20年には連続で低下。しかし依然として4分の3近くを占めている。

事情を直接知る関係筋によると、電力部門の専門家や当局者による政府諮問委員会が今後、草案について議論し、内閣の承認を得る前に内容を変更する可能性がある。