[ロンドン 15日 ロイター] - 世界鉄鋼協会は15日、新型コロナウイルス禍からの景気回復に伴い世界の鉄鋼需要が今年5.8%増加するとの見通しを示した。来年については、景気刺激策の影響が薄れて伸びが鈍化すると予想した。

昨年10月時点で4.1%としていた今年の伸び率予想を上方修正した。同協会は、2020年に景気が強く回復した中国に加え、他の多くの国も堅調に回復しつつあるとの見方を示した。

同協会の幹部エドウィン・バッソン氏は、自動車部門が持ち直しつつあり、建設部門はパンデミック(世界的大流行)を通じて底堅さを維持したと指摘。DIY(日曜大工)に絡む需要も押し上げ要因だと述べた。

今年の需要見通しは新型コロナの感染第2波、第3波が第2・四半期に落ち着くという想定に基づいている。

来年の粗鋼需要は2.7%増の19億2500万トンと、伸びが鈍化すると見込んだ。

同協会によると、昨年の需要は中国が9.1%増加したのに対し、その他の国・地域が10%落ち込み、世界全体としてはほぼ横ばいだった。

だが、中国当局が持続可能な成長を一段と重視する中、22年には中国の鉄鋼需要の伸びが1%に鈍化する一方、先進国は4.2%になるとみられている。