(ブルームバーグ): 韓国のカカオエンターテインメントは、来年計画している新規株式公開(IPO)でニューヨークを上場先として検討している。韓国企業では電子商取引大手のクーパンが3月に米国上場を果たした。

カカオエンターテインメントのイ・ジンス代表理事は、韓国国内での上場に向けて重点的に取り組んでいるが、ニューヨークも検討していると語った。

ソフトバンクグループが出資するクーパンのIPOは46億ドル(約5040億円)と、米国では2019年のウーバー・テクノロジーズ以来の規模となった。

ソフバンクG出資クーパンが上場、米でウーバー以来の大型IPO

イ代表理事はブルームバーグとのインタビューで、IPOでカカオエンターテインメントの評価額は20兆ウォン(約1兆9500億円)を超えて現在の価値の2倍となる可能性があると指摘。「クーパンの上場で、カカオエンターテインメントのように世界的ポテンシャルのある韓国企業が以前よりもはるかに高い評価を得られるとの自信を得た」と述べ、今から1年後のIPOに向け準備する計画だとした。

カカオエンターテインメントは、メッセージアプリなどを手掛けるカカオの傘下部門で、「ウェブトゥーン」と呼ばれる形態のデジタルコミックが韓国と日本で人気がある。この分野では韓国のネイバーの部門と競合している。

日本のデジタルコミック市場は3、4年で3倍も

世界最大のコミック市場である日本で既にファンを獲得している。カカオエンターテインメントが親会社と共に所有する「ピッコマ」は昨年、日本で最も人気のある漫画アプリだった。カカオエンターテインメントによると、同社の所有するウェブトゥーンはピッコマの売り上げの40%を占めた。

「日本のデジタルコミック市場は今後3、4年で3倍になる可能性がある」と現代車証券のアナリスト、キム・ヒョンヨン氏は予測している。

イ代表理事によると、カカオエンターテインメントは、国内外の資産買収に今年だけで1兆ウォンを投じることを計画している。

原題:Korean ‘Webtoons’ Firm Eyes $18 Billion Value from IPO (1)(抜粋)

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