[シドニー 13日 ロイター] - ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が発表した3月の豪企業景況感指数は、8ポイント上昇のプラス25と、過去最高を記録した。

販売、利益、雇用の急増を報告する企業が目立った。新型コロナウイルス危機からの回復が急ピッチで進んでいることが改めて浮き彫りとなった。

景況感は大半の産業・地域で堅調だった。

企業信頼感指数は3ポイント低下したものの、プラス15と比較的高水準だった。

NABのチーフエコノミスト、アラン・オスター氏は「企業は事業活動が引き続き非常に健全なペースで拡大していると報告している。新型コロナ関連の制限措置緩和に伴う事業活動のリバウンド局面は過ぎた」と指摘。

「全体として、過去1年間の回復ペースは、過去のどのような予想をも大幅に上回っている」と述べた。

クイーンズランド州の景況感も大幅に改善。州都ブリスベンは短期間のロックダウン(都市封鎖)を導入したが、長期的な影響はなかったとみられる。

全国販売指数は12ポイント急伸しプラス35と、過去最高を更新。収益性指数は8ポイント上昇し、プラス26。雇用指数は7ポイント上昇しプラス16。

雇用指数は、労働市場の改善が引き続き予想以上のペースで進んでいることを示唆している。2月の失業率は5.8%と、ピークに達した昨年7月の7.5%から低下した。

設備稼働率と投資の指数もさらに上昇し、新型コロナ流行前の水準と長期平均をともに上回っている。

オスター氏は「基調的な成長ペースは比較的健全とみられ、企業の投資と雇用が拡大する可能性がある」と述べた。

ANZが発表した先週の消費者信頼感指数は5.9%上昇し、2019年終盤以来の高水準となった。ブリスベンのロックダウン終了や、オーストラリアとニュージーランドが隔離措置なしに相互の往来を認める「トラベルバブル」を計画しているとの報道が寄与した。