(ブルームバーグ): ソフトバンクグループが出資する東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスは、米投資会社の特別買収目的会社(SPAC)との合併について、米資産運用会社ティー・ロウ・プライス・グループとシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスの支援を取り付けた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

ティー・ロウ・プライスとテマセクはグラブと米アルティメーター・キャピタルのSPACとの合併を通じた上場を支援するため、PIPE(上場企業の私募増資)に加わることに関心を示している。協議は非公開だとして関係者は匿名で語った。世界最大の資産運用会社、米ブラックロックもPIPEへの参加を交渉しており、取引の規模は約40億ドル(約4400億円)になる可能性があるという。

関係者によると、グラブは12日からの週にもSPACとの合併発表を目指しており、グラブの企業価値は340億ドル強と評価される見込みだという。

ブルームバーグのデータによれば、グラブの取引はSPACとの合併案件として過去最大規模になる可能性がある。また、東南アジアのユニコーン(企業価値が10億ドルを超えるスタートアップ企業)としてSPACとの合併による上場を果たす先駆的存在になる。

取引の詳細は引き続き交渉中で、投資家の顔ぶれが変わることもあり得ると関係者は述べた。

グラブ、ティー・ロウ・プライス、テマセクの担当者はいずれもコメントを控えた。ブラックロックの広報担当者、アルティメーターの担当者からもコメントは得られていない。

参考記事:ソフバンクG出資のグラブ、米投資会社のSPACと合併協議-関係者

原題:Grab Said to Draw T. Rowe Price, Temasek Backing for SPAC Deal(抜粋)

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