[北京/上海 9日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は9日、南部・海南省で金融サービスの対外開放を一段と進めると表明、人民元の交換性を高め、海外投資家に市場へのアクセスを認める方針を示した。

海南省に居住する個人の外貨利用をさらに容易にするほか、一定の条件を満たしたノンバンク金融機関に銀行間外国為替市場への参加を認める。

人民銀行と他の金融規制当局が共同声明で明らかにした。

規制当局は、海南省で銀行の合弁事業の設立を支援するほか、同省の企業に対し、債券など、海外で人民元建て商品を発行することを認める。

中国政府は8日にも、海南省で医薬品、新エネルギー車(NEV)、ゲーム、航空などの産業を支援する一連の対策を発表しており、同省を経済改革の試験区域とする方針だ。

海南省は、昨年6月に「自由貿易港」に指定された。当局は同省に貿易や金融のオフショアセンターを構築し2035年までの本格稼働を目指している。

9日に発表された政策には、一定の資格を満たした非居住者に対し省内の不動産購入を認めることも盛り込まれている。

また、プライベート・エクイティ(PE)投資などに利用される「適格海外投資事業有限責任組合(QFLP)」を設立し、一定のルールの下で自由に送金することも認める。

一定の資格を満たした海外のファンドマネジャーに対し、一定の資金枠の範囲内で、中国国内で資金を調達し、海外に投資することも認める。

国内のモバイル決済機関の海外業務も支援する。元の決済で中国独自の「国際銀行間決済システム(CIPS)」を利用できる地域を増やす。

海南省の金融サービスの対外開放を進める一方で、監視とリスク管理も着実に行う。資金フローを監視するクロスボーダー監視システムを構築するほか、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与のリスクを定期的に点検する。

*内容を追加しました。