[ベルリン 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、欧州連合(EU)の復興基金について、基金の設立を阻止すれば「欧州経済にとって大変なことになる」との認識を示した。

独シュピーゲル誌とのインタビューで述べた。

専務理事は、復興基金の設立や各国の支援策により、持続的な経済成長を実現できるのであれば、国の債務が大幅に増えるのは問題ではないと指摘。

「世紀の危機に直面しており、支出で経済成長を持続的に押し上げられる限り、公的債務が増えるのは不可避であり、賢明な措置だ」と述べた。

ドイツ憲法裁判所は先月、債券発行で投資資金を確保する復興基金に反対する原告の訴えを精査するため、復興基金の批准を差し止めた。

専務理事は、ヘッジファンドの活動が金融市場に及ぼす潜在的な影響に懸念を表明。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る問題でクレディ・スイスなどの大手金融機関が多額の損失を被ったのは「大きなシステミックリスクが存在するという警鐘だ」とし、「規制に大きなギャップ」があることも浮き彫りなったと述べた。